「守る」だけじゃない。
姿勢を支える車載用姿勢保持装置とは
今回は体幹の弱さや筋緊張などにより、市販のチャイルドシートで姿勢が安定しにくいお子さん向けた車載用姿勢保持装置の記事になります。
チャイルドシートに座ると身体が崩れてしまう、長時間の移動がつらそう…。そんなお子さんには、車載用姿勢保持装置という選択肢があります。市販のチャイルドシートとの違いを、わかりやすくご紹介します。
車載用姿勢保持装置とチャイルドシートの違い
お子さんを車に乗せるとき、多くのご家庭ではアップリカやコンビなどのチャイルドシートを使われていると思います。
ただ、ご相談の中で、こんなお声をいただくことがあります。
○身体がすぐ横に倒れてしまう
○前にずり落ちてしまう
○長時間乗ると疲れてしまう
○シートベルトをしても姿勢が安定しない
そんな場合に検討されるのが、車載用姿勢保持装置です。
車載用姿勢保持装置とチャイルドシート、この2つは役割や考え方が大きく異なります。
▷ チャイルドシートは事故から守る装置
前提は「自分で座れること」
市販のチャイルドシートの目的は、交通事故の衝撃からお子さんを守ることです。体重や身長に合わせて設計され、衝突時に身体にかかる力を分散する構造になっています。
つまり、
「もしものときに安全であること」
が一番の役割です。
そのため、
「自分で姿勢を保って座れること」
が前提になっています。
体幹の弱さや筋緊張の影響などがあるお子さんの場合、シートの中で身体が傾いたり、ずり落ちたりしてしまうことがあります。
▷ 車載用姿勢保持装置は乗車中の姿勢を支える装置
振動の中でも安定させる設計
一方、車載用姿勢保持装置は、車に乗っている時間を、安定した姿勢で過ごすことを目的に作られています。
例えば、、、
○骨盤を安定させるベルト
○体幹を支えるパッド
○横倒れを防ぐサポート
○身体に合わせた細かな調整
など、一人ひとりの身体に合わせて姿勢を整える仕組みがあります。車の中は、振動やカーブ、加減速など、姿勢が崩れやすい環境です。その中でも、無理なく座り続けられることを大切にしています。
▷ 設計思想の違い
チャイルドシートは「守るための装置」、車載用姿勢保持装置は「座れるようにする装置」という考え方の違いがあります。チャイルドシートは、平均的な身体機能を前提に作られています。一方、車載用姿勢保持装置は、
○体幹保持が難しい
○姿勢が崩れやすい
○不随意運動がある
○長時間の座位が負担になる
といった、姿勢そのものに支援が必要なお子さんのための機器です。事故対策だけでなく、日常の移動を安全で快適にすることを目的としています。
では、実際の車載用姿勢保持装置の例をご紹介します。
具体例
○ きさく工房のカーシートSTD
車載用姿勢保持装置のひとつに、むぎのゆめに掲載いただいている、きさく工房さまの『カーシートSTD』があります。
このシートは、
○リクライニングしても身体が前にずれにくい構造
○背中や座面の張りを調整できるスリングシート
○骨盤や体幹を支えるサポートパッド
○股ベルトやテーブルなどのオプション対応
など、姿勢保持のための細かな調整ができるのが特徴です。サイズはS・M・Lがあり、成長に合わせた選択も可能です。使用時は車のシートベルトを併用し、車両にしっかり固定して使用します。
背張り調整と体幹と骨盤のサポートパッドなどで、ひとりひとりの体格や姿勢に合わせてバックサポートの調整がおこなえる車載用の姿勢保持具です。 車への乗り降りでドアの間口のことを考えて、本体は薄く、そして軽く、しかし座位に必要な機能をシンプルにまとめました。 〈オプションのご紹介〉 オプション部...
背張り調整と体幹と骨盤のサポートパッドなどで、ひとりひとりの体格や姿勢に合わせてバックサポートの調整がおこなえる車載用の姿勢保持具です。 車への乗り降りでドアの間口のことを考えて、本体は薄く、そして軽く、しかし座位に必要な機能をシンプルにまとめました。 〈オプションのご紹介〉 オプション部...
最後に
○ 「座れない」は本人の問題ではない
チャイルドシートにうまく座れないと「姿勢が悪いのかな?」「落ち着きがないのかな?」と思ってしまうこともあります。でも実際には、その子の身体に、シートが合っていないというケースも少なくありません。姿勢が安定すると、
○移動中の疲れが減る
○呼吸や飲み込みが楽になる
○ご機嫌で過ごせる
○運転するご家族の安心感も増える
移動の質そのものが変わってきます。
○ より良い暮らしのための選択肢を増やす
チャイルドシートと車載用姿勢保持装置は、どちらが良い・悪いというものではありません。
大切なのは、その子が、安全に、楽に座れるかどうか。
市販のシートではなんだか安定しない、長時間の乗車がやっぱり難しいなど、そんな様子があれば、車載用姿勢保持装置という選択肢も、ぜひ知っていただければと思います。移動の安心は、ご家族の生活の幅を広げます。その子に合った環境づくりの参考になればうれしいです。
補装具費支給制度について
○ 補装具費支給の対象となる場合があります
車載用姿勢保持装置は、お子さんの身体状況によっては、補装具費支給制度の対象となる場合があります。医師の意見書や判定をもとに自治体へ申請することで、自己負担を抑えて導入できることがあります。制度の対象や手続きの流れは自治体によって異なりますので、主治医・リハビリスタッフ・補装具事業者などに相談しながら進めることをおすすめします。導入を検討される際は、制度の活用も選択肢のひとつとして知っておくと安心です。
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